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VanneSTORY たのしいクリスマス


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「じんぐるべーじんぐるべー♪すっずーがーなるー♪」

「らんらんらーららんらんらんらんホニャララ…へいっ!」

 

「分からねぇなら歌うな馬鹿共」

「俺は分かってたからね?!」

「僕も分かってた!」

 

「「それは嘘だろ」」

 

「はーい、お待たせ皆ー

ケーキだよー」

 

外は雪、事務所の会議室にはクリスマスツリーがキラキラと輝いて

壁を覆い尽くす程のオーナメント達は

空気の流れに身を委ねて揺れている

 

今日はクリスマスイヴ

 

皆で過ごすたのしいクリスマスだ

 

「はいっ!僕イチゴのところがいい!」

 

「どこを切ってもイチゴたっぷりだから大丈夫だよ」

 

会議室を貸し切ってクリスマスパーティーをしようと言い出したのは冬羽だった

Vanneのメンバー全員で集まってのパーティーは初めてだったけれど

どこか懐かしいような、ずっと昔から恒例だったような不思議な気持ちで

ソワソワしながらこの時を待っていた

 

「おい冬羽ちょっと腕上げろ」

「えっ、なに?襲たん」

「袖…コップに入ってんだよ」

「わーっ!!ジュースがあああ!!袖があああ!!」

「うるせぇ!!」

 

まぁね、静かにゆっくり過ごせるパーティーなんて望んではいなかったんだけど

うん、そうだね、これがVanneらしい

 

でも…もう少し…

 

「落ち着いたパーティーが良かった…なぁ…」

「サクたん何か言った?」

「何でもないよ黒雨…ほら、ケーキどうぞ」

「わーい!いただきまーす!」

 

「あっ!黒雨ばっかズリぃ!咲玖たぁん俺もケーキー…」

「はいはい、冬羽と…襲の分もね」

「ああ、サンキュー」

 

「さーーくーー!!イチゴ追加ー!」

「いや、追加ってなに?無いよそんなの…って、なんで綺麗にイチゴだけ食べてるんですか黒雨くーん」

「えー、君スポンジと生クリームはイチゴを乗せるための土台だって習わなかったの?うわー、教育がなってなーい」

 

そんな教育聞いたことなーい…

 

「黒雨、たまには大人しくしろ…俺がイチゴやるから」

「襲たんっ!僕は君の優しさを明日まで忘れないよっ!」

「どっかで聞いたようなセリフだな…」

 

「へいっ!へいっサックー!咲玖もケーキ食えよ!」

「ん?あ、切り分けてくれたの?ありがとう冬羽、いただきます」

 

自分がケーキを食べるのは半ば諦めてたけど、襲と冬羽は優しいなぁ

黒雨も見習ってくれないかなぁ…

 

「あっ!咲玖たん今ちょっと失礼なこと考えてるでしょー!」

「っっ!な、何も考えてない…考えてないよ黒雨…」

「僕だって思いやりくらいあるんだからねー?ほらー!ほらほらー!」

「ちょっ、やめ…なんでフォークでつつくの?!思いやりはどうしたの?!」

「思い槍…ってね」

 

えー…

 

「ははっ、フォークは槍じゃなくて矛だろー」

「あー、そっかぁ」

 

そこじゃない、そこじゃないよ冬羽…

 

 「…あれ、襲どうかした?ケーキあんまり食べてないみたいだけど」

「いや、咲玖お前さ…俺らとクリスマスなんて過ごさねぇ方が気楽だったんじゃねえか」

「ええ?急にどうしたの」

「黒雨はうるせぇし、冬羽は馬鹿だろ…俺だって結局お前に全部任せきりで…疲れるだけじゃねぇ?」

 

「そんな事、考えてたの…襲もなかなかおバカさんだね」

「あ?」

「俺は楽しいよ…今日が皆でやる初めてのクリスマスパーティーなはずなのに、ずっと昔からやってきた事のような感じがするんだ…おかしいよね、ふふ」

 

「それ俺もー!」

「冬羽…」

「僕も~♪初めてって感じしなーい」

「黒雨まで?」

「そうだな、俺も毎年の事で慣れてる気がする」

「ええー?皆そうだったの?

もしかしたら俺達、前世でもこうやって仲良くパーティーしてたのかな…そうだとしたら、素敵な運命だよね」

 

「「「……」」」

 

「こういう時だけ黙らないでよ…恥ずかしい事言った自覚はあるよ」

 

「ほんっと恥っずかしいー!咲玖たん恥ずかしいー!」

「前世でもパーティーしてたのかな…素敵な運命だよね」

「やめて、繰り返さないで冬羽くーん!」

「咲玖…ちょっとかける言葉がねぇけど…なんつーか、気にすんな」

「妙な優しさ出さないでー…いっそ気持ち悪いとか言ってー…」

 

「でもさぁ、運命とか気恥しいけど

俺らには無いとも言い切れねぇよな!」

「わかるぅ、だってミジンコの頃から知ってる気がするしー」

「え、皆ミジンコから始まってるの?人の子じゃないの?」

「人の子だろ、そこは自信持てよ」

 

「来年もパーティーしようぜ!皆で集まってさ!」

「さんせーい!今度はイチゴの追加用意しておいてよね!」

「だからその教育は間違ってるから」

「来年はもっと静かに過ごしてぇけどな…」

 

 

初めて皆で過ごしたクリスマスは

いつもの賑やかさに、甘いケーキ、大変だけど楽しい時間が流れて

あっという間に日付けが変わっていた

 

「んじゃ、あれ言っときますかー!」

「フライングしちゃダメだよ咲玖たん!」

「なんで俺だけに言うの??」

「クラッカー持てよー」

 

「準備はいい?せーのっ…」

 

「「「「Merry Christmas!」」」」

 

パーンっと豪快な音を立てて

クラッカーから優しい色が溢れ出す

今日はきっといい夢が見られる

賑やかで、楽しい夢

そして後悔のない明日がやってくる

Vanneの新しい一年が始まる…

 

 

 

 

 

「A happy new year★良いお年を!」

仏教の人はまだだけどね」

「余計な事言わないのー」

「来年もよろしくな…」